【演奏会予定】2025年6月1日 時之栖deクラシック
2025年6月1日日曜日 15時開演
時之栖deクラシック第2回
三宅麻美ピアノコンサート
ゲスト 横山奈加子(Vn)
御殿場・時之栖 御殿場高原教会 桜の礼拝堂

2025年6月1日日曜日 15時開演
時之栖deクラシック第2回
三宅麻美ピアノコンサート
ゲスト 横山奈加子(Vn)
御殿場・時之栖 御殿場高原教会 桜の礼拝堂
もうだいぶ経ってしまったけれど、10月末から11月にかけて3夜連続(3日とも違うピアノ)で演奏会に出かけたので、備忘録として思い出しながら書いてみます🗒
Willem Brons Piano Recital
ヴィレム・ブロンズ ピアノリサイタル@すみだトリフォニーホール小ホール
ピアノはスタインウェイ。
私が芸大に通う頃から良く公開レッスンをしにいらしていたオランダの名伯楽。87歳とは思えない足取りとお顔の血色も良く元気なお姿で舞台に登場。
古楽器を聴いているかのような打鍵、リズムやトリルの扱い、ペダリングなど、サウンドは決して豊かではないけれど、モチーフやフレーズを一つ一つ大事に語りかけるように、慈しむように扱う。
曲の展開部分で多声になればなるほど熱が増してのめり込んでいくので、とにかく音楽への熱意が伝わってくる。バスや内声のラインに導かれて聴いて行った先でまるで贈り物が届けられるかのように、フレーズ全体が立体的に見えてくることに凄みを感じる。
アンコール最後のシューベルト『楽に寄す』のしみじみとした味わいといい、この演奏の価値が現役学生にどれだけ理解できて、共感することができるのだろうと、次の世代に伝えていかなくてはならないものの甚大さを思う。
Alexander Kobrin Piano Recital
アレクサンダー・コブリン ピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール
ピアノはSHIGERU KAWAI。
チャイコフスキー『四季』全曲とラフマニノフ音の絵op.39全曲というロシアンプログラムを楽しみに出かけた。本人の意向で前半を音の絵に変更。柔らかい腕遣いとともに、ただ呼吸をするのと同じようにエチュードを弾き始める。終始大きな波に身を委ねていて、全9曲を脈々と一つの絵巻物のように聴かせていく。ポリフォニックなアプローチ等、桁外れの頭脳は健在。ただあまりにも流れ重視のため、心が入っていないかのようにも聞こえる。スケルツォの要素が強いh moll やa mollは躍動するリズムや色彩感を楽しめたが、時折りリズムが必要以上に端折って詰まってしまい、音も不明瞭のままそれでも突き進んでいくのに疑問を抱く。
後半に持ってきたチャイコフスキーも、出だしこそ弱音の響きへのこだわりが聴こえたのだが、プレトニョフのそれとは違い、まだ開拓途中のような感じ。終始懐かしんでいるかのような、何か彼自身もがいているような。
2015年にはアメリカ国籍を取得してもう長く向こうに住んでいるとは言っても、今後もこうしてロシアンプログラムを求められ続けるだろうし、現在の国際的なロシアの状況が少なからず影響を及ぼしているのではと思えてならなかった。
Maria Joao Pires&Matthias Goerne
Schubert “Winterreise“
マリア・ジョアオ・ピレシュ&マティアス・ゲルネ@サントリーホール
今年度の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞したピリスがゲルネを指名しての冬の旅。
ピアノはヤマハCFX。
歳の差も親子のようだけれど背格好の差もものすごく、ゲルネのような大男と並ぶとピレシュは余計に小さく見える。
ゲルネを十数年前に聴いた時は、響き重視の歌唱法のあまりドイツ語がよく聞き取れずにがっかりした記憶があるが、いまや50代後半となり余分なものを削ぎ落として、円熟味が増している。
ピレシュのピアノは暗さはないが凛とした空気感があり、巧みなコントロールで主張と寄り添いを自在に操っている。何よりピレシュ自身が心からこの舞台を楽しんでいるので、聴いているこちらも集中して彼女の創造する世界感を楽しめた。
ただ、舞台に近い2階右側の席に座ったので、ゲルネが終始、真反対の左側2階へ向かって歌うのだけが残念だった。
2024年9月15日〔日〕15時開演
静岡・御殿場 時之栖 御殿場高原教会 桜の礼拝堂
ピアノ 三宅 麻美
ショパン エチュード『エオリアンハープ』、『革命』、別れのワルツ、子犬のワルツ、ノクターン遺作、雨だれの前奏曲、幻想即興曲ほか
ラフマニノフ プレリュード『鐘』
ベートーヴェン ピアノソナタ ハ短調『悲愴』
チケットのご予約・お問合せ
時之栖クラシック実行委員会(尾上) 090-9190-4765
昨年12月20日の演奏会「ロマンの花束」第2回のレビューが『音楽の友』3月号に掲載されました。
三宅麻美
ピアノ・リサイタル・シリーズ
第3回浪漫の花束東京藝術大学、ベルリン芸術大学と同大学院、イモラ国際アカデミーに学んだ三宅麻美は、ベートーヴェン・ソナタ・ツィクルス、ショスタコーヴィチ・シリーズなどテーマ性の高いシリーズ公演を成功させて存在感を示してきた。今回はシューベルトにフォーカスし、第1部では《楽興の時》全6曲を独奏、第2部では望月哲也を招いて《美しき水車小屋の娘》を協演した。三宅のソロはシューベルトの即興的気分と歌心をよく反映させたもの。「第2番」では和音の響きの美しさを引きだし、「第4番」では全休止のあとの中間部を細心の注意をもって音楽的に開始した。「第6番」の内面性の表出も共感を誘う。《美しき水車小屋の娘》でもピアノは全開だが、音量のある望月とのバランスは良好だ。〈第1曲〉、若者のはずむ心を表すピアノの前奏に乗り、望月が溌剌と歌いだす。水車小屋を見つけてはりきる若者。そのテンションを鎮める〈第4曲〉。叩きつけるようなピアノ前奏に導かれて燃える恋心が表現された〈第5曲〉、若者の一方通行の思いに歌い手とピアノが同情を寄せた〈第10曲〉と、物語は切なく進む。狩人登場以降の若者の焦燥、嫉妬、敗北感、絶望感の道筋も望月と三宅は手に取るように伝えてくれた。望月訳のテキストは平易かつ詩的。
●萩谷由喜子会場=王子ホール/出演=望月哲也(T)/曲目=シューベルト《楽興の時》D780、《美しき水車小屋の娘》
『音楽の友』2024年4月号より
2024年10月23日〔水〕19時開演
東京銀座・ヤマハコンサートサロン
ヴァイオリン 横山奈加子
ピアノ 三宅 麻美
モーツァルト ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調 KV 379
ブラームス ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 イ長調 Op. 100
スメタナ ピアノ三重奏曲 ト短調 Op. 15
チェロ:印田陽介
チケットのご予約・お問合せ
ヤマハ銀座店ピアノフロア 03-3572-3132
@武蔵野市民文化会館
アリス・アデール〈ピアノ〉
バッハ 《フーガの技法》
『フレンチ・プログラム』セヴラック、ドビュッシー、ラヴェル、フィリップ・エルサン
春の陽気が続いた先週、2日に渡って78歳にして初来日のフランス女流ピアニスト アリス・アデールを聴いた。
初日は《フーガの技法》。
譜面台を立てて楽譜を置き、1曲ずつ大きな譜面をめくっていく。まず背筋がピンと伸びて姿勢が非常に良い。約100分間休憩なしだが、ピアノの横に台を置き、途中3、4回口に水を含ませながら演奏していた。
厳かな面持ちで静かにそれぞれの主題を始めていく姿はまるで神にその身を捧げる修道女のようで、舞台の背後に大きなパイプオルガンがあるせいか、教会でオルガンを聴いているような錯覚に陥る。頂点に向かってポリフォニーが入り組んでくると各々の声部の絡む様がはっきり聴き取れず彫りが浅くなってしまい、バッハならではの大伽藍が現れてこないのが残念。アンコールの小品になった途端に音色に色彩と潤いが倍増したので、5日後のフレンチ・プログラムに期待する。
冒頭のセヴラックの小品では、先日のフーガの技法とは異なり、思い切りの良い骨太な音楽を聴かせてくれる。次はドビュッシーの練習曲集から3曲。’対比音のための’のように音楽が多層構造になってくると、その弾き分けや打鍵の繊細さは今ひとつだが、’アルペジオのための’では即興的で軽妙なリズム取りに長年培ってきた感覚的な巧さを発揮し、ラヴェルの”鏡”からの3曲ではそれぞれの場面に合わせた音色造りや響きの豊潤さが見事だった。
後半は彼女に捧げられたというフィリップ・エルサンの《エフェメール》を楽譜とともに演奏。儚さというタイトルの如く24の小曲からなる曲集で、日本の俳句(主に松尾芭蕉)から得たインスピレーションがメシアンに似た和声を用いて書かれているのだが、アデールはまるでスケッチをするかのように、色合いを大胆に音で描いていく。フレージングなどの構築性があまり必要ないからだろうか、演奏は一層溌溂としていて、確信に満ちた、生きた音を紡いでいた。
@東京オペラシティ
ミハイル・プレトニョフ指揮 東京フィルハーモニー管弦楽団
シベリウス 組曲《カレリア》、グリーグ ピアノ協奏曲、シベリウス 交響曲第2番
プレトニョフ&東フィルの北欧プログラムを聴きにオペラシティへ。
ベルリン留学時代は良くフィルハーモニー舞台後方の席で指揮者の表情や動きを観察したが、オペラシティではおそらく初めての後方席。思ったより音響は悪くなく、一列しかない席のため、オーケストラの一員になったような気になれる。団員の方々の熱の入りようも非常に良く伝わってくる。数ヶ月前にサントリーホールで聴いたマケラ&オスロフィルのシベリウスと比べて、明るさと暗さの移行、共存がより自然に感じられ、オーケストラの一体感というよりそれぞれのパートを巧みに活かした立体感のある音楽を楽しんだ。
『やまとで♪クラシック2024』
~ピアノトリオの宝石箱~
2024年5月11日〔土〕19時開演
大和市文化創造拠点シリウス サブホール
ヴァイオリン 片野 可八子
チェロ 三戸 明美
ピアノ 三宅 麻美
ハイドン ピアノ三重奏曲《ジプシー風》
ベートーヴェン ピアノ三重奏曲《大公》
ドヴォルザーク ピアノ三重奏曲《ドゥムキー》
チャイコフスキー ピアノ三重奏曲《偉大な芸術家の思い出に》
ほか
チケットのご予約・お問合せ
クラシックネットワーク 046-293-7315 yamato@classicus.jp
『Sound Dream in 港北 Vol. 1』
2024年3月30日〔土〕13時30分開演
横浜市港北区民文化センター ミズキーホール
ヨハン・シュトラウス2世 ワルツ《春の声》
メンデルスゾーン 2本のクラリネットのための演奏会用小品第2番
(クラリネット 武田忠善、バセット・ホルン 山崎泰子、ピアノ 三宅麻美)
カッチーニ アヴェ・マリア
モーツァルト クラリネット五重奏曲 第1楽章
サン=サーンス 《動物の謝肉祭》(ピアノ 三宅麻美)
ミズキー室内オーケストラ ほか
『YAO管弦楽団 第20回定期演奏会』
2024年1月14日〔日〕13時30分開演
横浜みなとみらいホール 大ホール
ヨハン・シュトラウス 喜歌劇《こうもり》序曲
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番(ソリスト 三宅麻美)
ブラームス 交響曲第2番
鈴木衛(指揮)YAO管弦楽団