【演奏会予定】2025年10月31日 浪漫の花束 Vol. 4 ブラームス
2025年10月31日 金曜日19時開演
三宅麻美ピアノリサイタルシリーズ
浪漫の花束〜色とりどりの性格的小品とドイツ・リートの世界〜 Vol.4 ブラームス
ブラームス 3つの間奏曲より op.117-1
バラード op.10
4つの小品 op.119
歌曲
メゾ・ソプラノ 手嶋眞佐子
2025年10月31日 金曜日19時開演
三宅麻美ピアノリサイタルシリーズ
浪漫の花束〜色とりどりの性格的小品とドイツ・リートの世界〜 Vol.4 ブラームス
ブラームス 3つの間奏曲より op.117-1
バラード op.10
4つの小品 op.119
歌曲
メゾ・ソプラノ 手嶋眞佐子
2025年6月15日日曜日19時開演
やまとで♪クラシック〜みんなで楽しむ名曲コンサート〜
大和市文化創造拠点シリウスサブホール
2025年3月2日日曜日
洗足プレミアムコンサート
三宅麻美・松浦健 ピアノデュオリサイタル
洗足学園音楽大学シルバーマウンテン2F
ドヴォルジャーク
ボヘミアの森より 作品68より
1. 糸紡ぎ
3. 魔女の安息日
5. 森の静けさ
6. 騒がしい時
ドヴォルジャーク
スラヴ舞曲第2集 作品72より
第1番 ロ長調
第3番 ヘ長調
第2番 ホ短調
第7番 ハ長調
第8番 変イ長調
ブラームス
交響曲第4番 ホ短調 作品98
(作曲者自身による2台ピアノ編曲)
もうだいぶ経ってしまったけれど、10月末から11月にかけて3夜連続(3日とも違うピアノ)で演奏会に出かけたので、備忘録として思い出しながら書いてみます🗒
Willem Brons Piano Recital
ヴィレム・ブロンズ ピアノリサイタル@すみだトリフォニーホール小ホール
ピアノはスタインウェイ。
私が芸大に通う頃から良く公開レッスンをしにいらしていたオランダの名伯楽。87歳とは思えない足取りとお顔の血色も良く元気なお姿で舞台に登場。
古楽器を聴いているかのような打鍵、リズムやトリルの扱い、ペダリングなど、サウンドは決して豊かではないけれど、モチーフやフレーズを一つ一つ大事に語りかけるように、慈しむように扱う。
曲の展開部分で多声になればなるほど熱が増してのめり込んでいくので、とにかく音楽への熱意が伝わってくる。バスや内声のラインに導かれて聴いて行った先でまるで贈り物が届けられるかのように、フレーズ全体が立体的に見えてくることに凄みを感じる。
アンコール最後のシューベルト『楽に寄す』のしみじみとした味わいといい、この演奏の価値が現役学生にどれだけ理解できて、共感することができるのだろうと、次の世代に伝えていかなくてはならないものの甚大さを思う。
Alexander Kobrin Piano Recital
アレクサンダー・コブリン ピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール
ピアノはSHIGERU KAWAI。
チャイコフスキー『四季』全曲とラフマニノフ音の絵op.39全曲というロシアンプログラムを楽しみに出かけた。本人の意向で前半を音の絵に変更。柔らかい腕遣いとともに、ただ呼吸をするのと同じようにエチュードを弾き始める。終始大きな波に身を委ねていて、全9曲を脈々と一つの絵巻物のように聴かせていく。ポリフォニックなアプローチ等、桁外れの頭脳は健在。ただあまりにも流れ重視のため、心が入っていないかのようにも聞こえる。スケルツォの要素が強いh moll やa mollは躍動するリズムや色彩感を楽しめたが、時折りリズムが必要以上に端折って詰まってしまい、音も不明瞭のままそれでも突き進んでいくのに疑問を抱く。
後半に持ってきたチャイコフスキーも、出だしこそ弱音の響きへのこだわりが聴こえたのだが、プレトニョフのそれとは違い、まだ開拓途中のような感じ。終始懐かしんでいるかのような、何か彼自身もがいているような。
2015年にはアメリカ国籍を取得してもう長く向こうに住んでいるとは言っても、今後もこうしてロシアンプログラムを求められ続けるだろうし、現在の国際的なロシアの状況が少なからず影響を及ぼしているのではと思えてならなかった。
Maria Joao Pires&Matthias Goerne
Schubert “Winterreise“
マリア・ジョアオ・ピレシュ&マティアス・ゲルネ@サントリーホール
今年度の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞したピリスがゲルネを指名しての冬の旅。
ピアノはヤマハCFX。
歳の差も親子のようだけれど背格好の差もものすごく、ゲルネのような大男と並ぶとピレシュは余計に小さく見える。
ゲルネを十数年前に聴いた時は、響き重視の歌唱法のあまりドイツ語がよく聞き取れずにがっかりした記憶があるが、いまや50代後半となり余分なものを削ぎ落として、円熟味が増している。
ピレシュのピアノは暗さはないが凛とした空気感があり、巧みなコントロールで主張と寄り添いを自在に操っている。何よりピレシュ自身が心からこの舞台を楽しんでいるので、聴いているこちらも集中して彼女の創造する世界感を楽しめた。
ただ、舞台に近い2階右側の席に座ったので、ゲルネが終始、真反対の左側2階へ向かって歌うのだけが残念だった。
Michel Plasson Japan Last Concert “Au Revoir!”
Tokyo Opera City Concert Hall Takemitsu memorial
Tokyo philharmonic orchestra / Nikikai Chorus Group
お盆真っ只中の昨日、ミシェル・プラッソンのラスト・コンサートを聴きにオペラシティへ。
ラヴェル/マ・メール・ロワ、ダフニスとクロエ第2組曲とフォーレ/レクイエムというフレンチプログラム。(オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団、合唱は二期会合唱団)
御歳90のプラッソンは歩くのにも時間をかけての登場だが、いざ指揮を始めると拍取りも潔く、ラヴェル独自の沸き立つようなパッションの表現や、響きの燻りから調和への見事な移行、場面転換のタイミングの妙など、これまで培われたものやご自身の情熱・拘りの全てが注ぎ込まれた演奏に思わず聴き入った。
かつて大学の授業で歌ったことのある懐かしいレクイエムは、ソリストの歌唱がオペラ的過ぎて少々気にはなったけれど、背面のパイプオルガンも含めハコ全体が鳴り響く様は圧巻。考えてみたらこのホールでオルガンを聴くのは初めてかもしれない。
アンコールのラシーヌ雅歌を振り終えた直後に、思わずプラッソンが祈るように手を組んだその姿は胸を打ち、今後忘れることは無いと思う。
2024年9月15日〔日〕15時開演
静岡・御殿場 時之栖 御殿場高原教会 桜の礼拝堂
ピアノ 三宅 麻美
ショパン エチュード『エオリアンハープ』、『革命』、別れのワルツ、子犬のワルツ、ノクターン遺作、雨だれの前奏曲、幻想即興曲ほか
ラフマニノフ プレリュード『鐘』
ベートーヴェン ピアノソナタ ハ短調『悲愴』
チケットのご予約・お問合せ
時之栖クラシック実行委員会(尾上) 090-9190-4765
昨年12月20日の演奏会「ロマンの花束」第2回のレビューが『音楽の友』3月号に掲載されました。
三宅麻美
ピアノ・リサイタル・シリーズ
第3回浪漫の花束東京藝術大学、ベルリン芸術大学と同大学院、イモラ国際アカデミーに学んだ三宅麻美は、ベートーヴェン・ソナタ・ツィクルス、ショスタコーヴィチ・シリーズなどテーマ性の高いシリーズ公演を成功させて存在感を示してきた。今回はシューベルトにフォーカスし、第1部では《楽興の時》全6曲を独奏、第2部では望月哲也を招いて《美しき水車小屋の娘》を協演した。三宅のソロはシューベルトの即興的気分と歌心をよく反映させたもの。「第2番」では和音の響きの美しさを引きだし、「第4番」では全休止のあとの中間部を細心の注意をもって音楽的に開始した。「第6番」の内面性の表出も共感を誘う。《美しき水車小屋の娘》でもピアノは全開だが、音量のある望月とのバランスは良好だ。〈第1曲〉、若者のはずむ心を表すピアノの前奏に乗り、望月が溌剌と歌いだす。水車小屋を見つけてはりきる若者。そのテンションを鎮める〈第4曲〉。叩きつけるようなピアノ前奏に導かれて燃える恋心が表現された〈第5曲〉、若者の一方通行の思いに歌い手とピアノが同情を寄せた〈第10曲〉と、物語は切なく進む。狩人登場以降の若者の焦燥、嫉妬、敗北感、絶望感の道筋も望月と三宅は手に取るように伝えてくれた。望月訳のテキストは平易かつ詩的。
●萩谷由喜子会場=王子ホール/出演=望月哲也(T)/曲目=シューベルト《楽興の時》D780、《美しき水車小屋の娘》
『音楽の友』2024年4月号より
大学の仕事が早く済んだ昼下がり、前から訪れたいと思っていた五島美術館へ出掛けた。
展示室は右と左にひとつずつ。
外には、武蔵野台地から多摩川への丘陵地を活かした広大な庭園もあるようだ。
展示室1の手前にいきなり、運慶作と伝わる愛染明王坐像(重要文化財)がわりと無造作に置かれてあり、思わず立ち止まる。冠の獅子の表情から土台の蓮作りまで、観入ってしまう。
入ってすぐの『遊鶴図』を描いた橋本雅邦は、横山大観や川合玉堂の師匠で、二羽の鶴が精緻な筆遣いで描かれている。首を伸ばした鶴と折り曲げた鶴どちらも、緻密で写実的な脚の筆遣いに目が行く。
それに比べて羽や体のラインは一筆で描く大胆さ、首に描いた黒と白の塩梅も目を引く。
跡見花蹊(のちに跡見学園を創立した女流画家)の墨絵『茄子に雀』では、薄墨で描かれた茄子の葉先の鋭角さ、筆先のかすれ具合も生々しく、新鮮に感じられる。茄子の実それぞれの角度に遊びがあり、墨の濃淡で艶やそのサイズ感を巧みに描いている。
雀は淡い墨色で描くことで主たる茄子との距離をあらわし、羽と背景を同色にすることで空気との一体感、浮遊感を見事に表現している。
渡辺省寧の『牡丹』は、雪の覆いかぶさる藁の下に鮮やかなピンク色の牡丹が大胆に描かれ、その花弁の濃淡に目が行く。
その下にうずくまるように、前方からの角度で小さく描かれた雀の姿に、季節外れの大雪に凍える様子と、それでも咲き誇る牡丹の生命力を感じる。
洋画を学んだ色彩感覚と、対象への焦点の当て方に技が光る作品。
大橋翠石『猛獅虎の図』では、虎と獅子の対峙するさまを描いているが、虎は前脚を踏ん張って精一杯挑むのに対して、獅子は左前脚が折れていて、ふと虎の存在に気がついた様子。それでも眼孔を光らせて威勢を放っている。
虎の皮膚の茶色に何とも言えないビロードのような質感を与え、獅子に立ち向かう緊張の瞬間を表しており、肌が小刻みに震えている様にも見えてくる。
川合玉堂の『松鷹図』では、まるで印象派のような松の朧げな筆遣いに対して、鷹の存在感たるや、眼と口もと、頭の横ラインに緊張が迸っていて、緊張と弛緩が見事に描かれる。
小杉放庵の『啄木』も面白い。
柏の木が幹の途中で切られて朽ちていて、そこに停まる啄木鳥は、さもがっかりと肩を落としているように見える。洋画を学んだのちに日本画を描くようになっただけあって、油絵のタッチを活かした啄木鳥の塗りに思わず目が行く。
虫食いだらけの葉は枯れていながら色のグラデーションが美しく、幹には大小幾つかのキノコが生えており、大きなものは5色の色を使ってカラフルに、そしてデザイン的に描かれる。
デザインといえば、小林古径の『茄子』はデザイン性に非常に優れていて、葉も花も実も様々な角度から見た姿をポップに描く。
それに対して横山大観の『茄子』は墨絵とはいえ、何もこちらに訴えてこないのが不思議だ。
そのほか、前田青邨の幻想的な『紅葉』や、村上華岳の味わいのある『野鳥』、奥村土牛の『栗鼠』の愛らしい横顔と柘榴の紅も印象的だった。
展示室2では特別展示として古文書が展示されており、後醍醐天皇、藤原為定、足利義満の詠んだ和歌もあって興味深かった。
2024年10月23日〔水〕19時開演
東京銀座・ヤマハコンサートサロン
ヴァイオリン 横山奈加子
ピアノ 三宅 麻美
モーツァルト ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調 KV 379
ブラームス ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 イ長調 Op. 100
スメタナ ピアノ三重奏曲 ト短調 Op. 15
チェロ:印田陽介
チケットのご予約・お問合せ
ヤマハ銀座店ピアノフロア 03-3572-3132
Boris Petrushansky Piano Recital
Yamaha hall Ginza
Schumann & Mussorgsky
始まった瞬間からホール全体を揺るがすような隅々まで飽和する響きに圧倒される。それでいて決して破綻することのない豊かな響き。
6月で75歳になられるとは思えない、全く衰えない恩師の強靭な生命力を全身で浴びて、いま生きていることを実感する。
楽曲への様々な角度からのアプローチ、分析力、打鍵やペダリング、フレージング等に驚かされ、常に進化し続けるその探究心にあらためて感服。
先生が生きていてくれて、こうして全てを我々に届けてくれることに只々感謝🙏
Grazie maestro per la sua vitalita travolgente!