『音楽の友』2020年2月号「音楽評論家・記者が選ぶコンサート ベストテン2020」選出

2017年の「ベートーヴェンピアノソナタ全曲演奏会最終回」に引き続き、2019年12月の「ベートーヴェン・リサイタル」(初期、中期の変奏曲とディアベリ変奏曲)を、『音楽の友』2020年2月号のコンサートベストテン2020に選んでいただきました!

【MOVIE】おうちでかなコン

残念ながら、審査員として参加予定だった「第36回かながわ音楽コンクール」は中止となってしまいました。

「かながわ音楽コンクール」の下記ページにて、期間限定で課題曲の解説・演奏動画が公開されています。

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曲目
バルトーク:《子供のために 第1巻》より 第5番「あそび」
ベートーヴェン:レントラー ト長調
シューマン:《子供のためのアルバム》より 第11曲「シチリアーナ」 Op. 68-11

『音楽の友』3月号に12月27日の演奏会レビュー

昨年末の「ベートーヴェン生誕250年プレイヴェント 三宅麻美ベートーヴェン・リサイタル」のレビューが『音楽の友』3月号に掲載されました。

12月27日・ヤマハ銀座コンサートサロン●ベートーヴェン「ドレスラーの行進曲の主題による9つの変奏曲」「創作主題による6つの変奏曲」「ディアベッリのワルツの主題による33の変奏曲」
 東京藝大、ベルリン芸大、イモラ音楽院で研鑽を積みながら国内外で活躍の三宅が、拠点を日本に移してからも企画力に富んだ活躍を展開している。2010~17年にベートーヴェンのピアノ・ソナタ、室内楽(ヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ、トリオ)の全曲演奏会。そして当夜、長年温めていたという「ディアベッリ変奏曲」をメインに、ベートーヴェン生誕250周年前年(2019年)にプレイヴェントを開催。
 言うまでもなくベートーヴェンはソナタ形式に金字塔を建てたが、変奏形式においても然り。ベートーヴェン最初の変奏曲である「ドレスラー変奏曲」(1782年作)から開始の三宅。後の楽聖の幼少期の作品とはいえ、その後を啓示しているかのようなエネルギーで、それを三宅は優しい眼差しのように主題から紡いでいく。変奏を重ねながら、その先の「ディアベッリ変奏曲」の予告すら感じさせる表現に甚だ感心。「創作主題による変奏曲」(1802年作)ではベートーヴェンの筆致も濃く、ロマン派の曙の趣。そして後半の「ディアベッリ変奏曲」(1823年作)。明るい主題のあと、いきなり重厚に(Ⅰ)。かと思うと軽快になり(Ⅱ)、しばらく楽しいお喋り。シリアスな話題に変わり(Ⅳ)、以降めくるめく豊富な知識が愉しく語られる。1時間ほどの大曲なのだが、三宅がこれまで培ってきた“ベート—ヴェン”学が見事に咀嚼されているため、高く険しい山道も心地良く歩けた感覚。33の変奏の中にはベートーヴェンのすべてがあり、三宅という名道案内のお陰で素晴らしい風景の、また新しい魅力も味わえた。これは世界のどこに出しても誇れる「三宅のディアベッリ変奏曲」と言える。
●上田弘子

『音楽の友』2020年3月号より