Mami Miyake - Pianist

三宅 麻美 Webpage

  • TOP
  • PROFILE
  • CONCERT
  • REPERTOIRE
  • LESSON
  • CONTACT
  • PHOTO
  • ART NOTES

三宅麻美アート覚書き

【コンサート覚書き】ティル・フェルナー シューマンプロジェクト

2016年2月19日 by admin

今年度最後の試験審査任務を終えて、久々にドイツリートを聴きにトッパンホールへ。

Till Fellner Schumann Project with Mark Padmore@Toppan Hall, Tokyo

シューマン:5つの歌曲 作品40
ハンス・ツェンダー:山の空洞の中で〜ジャン・パウルの詩による2つの歌(日本初演)
ベートーヴェン:遥かなる恋人に寄す
シューマン:詩人の恋

このプログラムを見るなり惹かれて、すぐにチケットを入手した。
歌手パドモアは、なんて柔らかで伸びやかな声の持ち主だろう。古楽合唱の発声なのだろうか、抑揚を自在につけられるので、歌詞に合わせて非常に臨場感のあるロマンティックな表情を随所にともなう。
正統派との呼び声が高いフェルナーのピアノは初めて聴いたが、とても知的でチャレンジ精神に溢れている。
新曲では、演奏前にピアノの弦にピアニスト自身が細工をし、譜面台横に無造作に置かれたiBookを操作して、マイクの入った内部奏法音が場内に流れた。
そのiBookが直後のベートーヴェンでもその場にあったので、かなり違和感を感じたのだけれど、ベートーヴェンの出だしを歌い出してすぐ、sorryと言って歌手を止めたのには驚いた。新曲の際に閉じたピアノの蓋をまた開けるのを忘れたのだ。
それはピアニストが忘れたのか、係りの人が忘れたのかはわからないが、一度始まったものをすぐさま止めることが果たしてその場の最善策だっただろうか、、、
日本語で「すみません」と言って雰囲気は少し和ませたけれど、あきらかに止められたときの方が歌手のノリが良かった。ああ、この出だし!とこちらも曲の世界に入り込んだ矢先だったので、本当に驚いた。そのまま弾いて欲しかった。

それでもベートーヴェンでは二人の語り口が1つの世界観を創り、クライマックスの感動へ導いてくれたが、後半のシューマンは学生時代に聴き続けた曲だったからか、イギリス人パドモアの独特な発声が、ドイツ語が持つリズムや響きを若干崩していることが気になった。ドイツリートはやはりドイツ語自体が持つ厳格さというか、韻もさながら、発音から来る独特な篭りというのだろうか、そういうものに支配されて然るべきなのでは?と。昔サヴァリッシュのピアノでディースカウを聴いた感動には至らないのはもちろんわかっていたけれど、これは外国人にはやはり難しいものなのだろうか。他にもリートを聴いてみたくなった。

12742021_1752106541690803_8842616786478027192_n 12744444_1752106545024136_5013103763726362710_n 12715405_1752107525024038_1400567677758446679_n

〔facebookパーソナルページより転載〕

 

カテゴリー: 三宅麻美アート覚書き タグ: facebook

【アート覚書き】映画「Foujita」「Pirosmani」

2015年12月18日 by admin

アートな映画を2本鑑賞

Movie “Foujita”(2015),“Pirosmani”(1969)

藤田嗣治は今までにその生涯が映画化されなかったのが不思議なくらい。もともと日本より海外での評価が高いせいだろうか、日本国籍を捨てたから?あるいは再婚に再婚を重ねているせいだろうか(笑)映画では私の想像以上に、彼の生涯の中でもパリで成功した後の16年間の日本滞在に焦点を当てていた。パリの場面では妙に現代的な撮影が気になりつつも、シャヴァンヌのタペストリーをフジタが無言で眺めるシーンや、最後に遺言のように建てた礼拝堂を映すシーンは、それだけでこの映画の価値が感じられるものだった。ちょうど国立近代美術館で、フジタの収蔵作品を一斉展示していたので観に行ったが、初めて彼の戦争画を観て、その生々しさと労力に圧倒された。映画よりも間近で観る絵の方が、まさにそれに命を懸けていたということを伝えていた。

ピロスマニは、7、8年前にDVDを観てその素朴なほの暗さに即座に魅了されたのだけれど、それをデジタルリマスター版しかも原語のグルジア語で再公開するというので、もう一度これを大きなスクリーンで観たい!と前売り券を買ったのだがなかなか行けず、最終日の今日すべり込みセーフ^^;
まず、冒頭からこの画家の人生を物語るようなオルガンの暗い色調にやられてしまう。美しいグルジアの風景と、どっしりとした筆使いの暗くも温かみに満ちた絵。人が何をしようと、人に何と言われようと意のおもむくままに行きる。人に愛されながらも自ら孤独を選び、さすらいながら絵を描いてそして死んでゆく。彼の絵をナマで観たい!

1509893_1729504703950987_3514234853115702809_n 12366390_1729504500617674_6995327623622855271_n 248211_1729504557284335_5099027481483357665_n 12391804_1729504597284331_5361709223096124939_n 12348026_1729504630617661_7988595790041022934_n 12391122_1729504650617659_7058425598254107485_n

〔facebookパーソナルページより転載〕

 

カテゴリー: 三宅麻美アート覚書き タグ: facebook

【アート覚書き】パウル・クレー展

2015年8月7日 by admin

夏休み!一昨日、宇都宮の県立美術館へ、パウル・クレー展を観に出掛けました。

Visit at the museum in Tochigi “PAUL KLEEー Spuren des Lächelns”

広大な緑地内にある、落ち着いた美術館。階段もなく、非常に贅沢な作りになっており、観る前の気分を演出してくれる。
そしてその贅沢な空間は作品と作品の間隔にも繋がり、作品を生かしたライティングがまた良い雰囲気を作っていた。
ドイツ留学中にも事ある毎に観たクレー作品だが、まとめての展示を鑑賞するのは初めてで、クレーの謎に迫る展示になっている。
線とは、図形とは、色彩とは、枠とは…様々な視点で考えさせられる。
晩年、皮膚の病気を堪えながら今までにない数の作品を生み出したそうだが、シンプルな鉛筆書きの、愛らしいフィギュアに何とも言えない感情が湧いた。

そのあとは…宇都宮といえばの餃子食べ比べ。15種類!

11817156_1686260031608788_1045794306368029962_n 11828636_1686260054942119_8525391171130867706_n 11822797_1686260068275451_367580780939798116_n 11811352_1686260091608782_4314186046287475309_n 11822555_1686260114942113_8701156008956079469_n 11824992_1686260134942111_5314940602622060888_n 11202810_1686260191608772_45792457083352863_n 11855672_1686260214942103_1656513521571567014_n 11813320_1686260248275433_7779659590974119539_n 11800188_1686260284942096_3836968304979427962_n

〔facebookパーソナルページより転載〕

 

カテゴリー: 三宅麻美アート覚書き タグ: facebook

【コンサート覚書き】グリゴリー・ソコロフ

2014年3月27日 by admin

忘れないうちに、1ヶ月前の感動をレポート。(3回分なので長いです‼)

グリゴリー・ソコロフ
Grigori Sokolov Piano Recital

まさしく現役ピアニストの第一人者であろう。だがその名はあまり知られていない。ロシア出身、弱冠16歳でチャイコフスキー・コンクールを制覇。以来演奏活動をヨーロッパ中心に続けている。若い頃一度来日しているが、本人飛行機嫌いらしく、いまは居住するドイツからあまり遠くは移動しない。ロシアを出た演奏家が良くするように、ドイツの音大などで教鞭をとってもいない、室内楽もやらない。ソロ・リサイタルのみで毎年、サンクトペテルブルクを含むヨーロッパ各地をまわり、大ホールを満員にする。
ロシアものを勉強するうち彼の録音を聴くようになり、留学中のイタリアで演奏会に行って以来、また聴きたい想いが募りにつのり、今回の渡欧で3度の演奏を聴いた。

まずドイツ・フランクフルトのオペラ座での演奏会。プログラムは3回とも同じで、前半はショパンのソナタ第3番に後半はマズルカを10曲。
冒頭のソナタ、第1楽章の提示部を聴いただけで、大げさではなく、それだけで来た甲斐があると思える満足感。息の長いフレーズ、時間の扱い方はまるで大海を自在に泳ぐ魚のようで、感じるのは音楽に対する、あふれ出る情熱と誠実さ、そしてどんな状況でも妥協のない探求心。舞台上でその姿を見せるのは彼にとっては当然のことで「何も特別ではない」のだろう。でもそれが出来る人は限られている…。
第3楽章再現部ではリズムがとても新鮮に感じられ、心が洗われるようだった。ただ、2000人のホールに合わせてか、メロディーをとにかく遠くまで飛ばそうとかなり強い打鍵をするので、微妙な音量や表現の際の雰囲気が本来の彼の演奏のようには聴こえてこない。本番30分前までホールでリハをしていたのも、音響のチェックに労を費やしたのかもしれない。
しかし後半のマズルカでは段々に響きが良くまとまり、さらに自在になって素晴らしさが増した。特に最後の二つのマズルカ(作品50-3,68-4)が絶品。
アンコールでは、シューベルトの即興曲3曲の後に、3つのピアノ曲の第2番を弾き出した時には、今からこの曲を弾くの⁉︎と嬉しい悲鳴だったのだが、最近、彼のアンコールは毎回6曲と決まっているようで、その後にもマズルカ1曲とグリボエードフという知られざる作曲家の短いワルツを弾き、ようやくホール内の明かりが点いた。アンコールだけで1時間弱。
そしてなんと、演奏後に本人に会いに行くことに。このような演奏を聴いたあとでは恐れ多くてとても気が引けたのだが、いつもフレンドリーに受け応えてくれるからとの知人の後押しのお陰で、直接お話し出来た。会ってみると先ほどの舞台上のイメージとは違い、本当に優しく微笑みながら丁寧に受け応えして下さり、有難いことにソナタの版についての違い(1楽章で初めて耳にする旋律を弾いていたため)やアンコールの珍しい作曲家についてなど、若々しい表情と活き活きとした口調で事細かに説明して下さった。

次の演奏会はイタリア・ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場。前から二列目という席だったこともあり、当然フランクフルトよりも音が間近で臨場感があってより楽しめた。常にたゆたうように進む音楽運びはもちろんのこと、色が変わる瞬間の意識、ポリフォニックな処理など、近いのでより伝わるものがあった。開始時間の遅いのが常のイタリア、21時開演でアンコールは変わらず6曲、終わったのは殆ど真夜中。
やはり大劇場のせいか ものすごく強い、かなり上からの打鍵(でも決して割れはしないのだが)で、会場に合わせるとは言ってもこのような演奏を続けていては先が心配だし、本人も納得していないのでは?仕方なくこのように弾いているのでは?という疑問が残った。

そしてその疑問をすっかり晴らしてくれたのが、スペイン・バルセロナ、カタルーニャ音楽堂での演奏。
まず、世界遺産でもあるこの会場が圧巻、外観だけでなく天井、壁、舞台上と至るところまでリュイス・ドメネク・イ・モンタネール渾身の装飾が施されており、観るもの誰もが息を飲む。横幅が思ったほど広くないホールで、座った席が2階右側バルコニー最前列と、ピアノの音が1番良く飛んでくる場所だったのが本当に良かった。素晴らしい響き、まさにマイクが拾うような音、ソコロフの奏でる豊潤な音が、冒頭の第1音から身体全身に響いて満たされる。あり得ないがまるで私達のためだけに弾いてくれているかのような、かけがえのない経験をしている感覚。今までのように無理に音を飛ばす必要がないので、自然な打鍵で楽に弾いていて、ソコロフ自身も楽しんでいるし、彼のやりたいことが手に取るように伝わってくる。
事もあろうにソナタ第1楽章のあとで拍手が起きてしまい(ホール見学目当てのツアー客なのか?)第2楽章では少々気が反れてしまったのが勿体なかったが、第3楽章はやはり素晴らしく さらに色彩を増して聴こえ、曲全体を通してとてつもない立体感とダイナミックレンジを感じさせる。
後半、終わりに進むにつれて、アンコールも6曲あるにもかかわらず、終わって欲しくない気持ちと、今ある状況への感謝の気持ちで、涙が溢れてきた。どうかまた聴きに来られる時まで健在でありますように…と祈らずにはいられなかった。
写真は全てカタルーニャ音楽堂(Palau de la musica catalana)。

10150797_1453049158263211_1618346126_n 1625474_1453049181596542_28735469_n 1173698_1453049194929874_50364563_n 10155714_1453049211596539_1200499056_n 64970_1453049231596537_1301403374_n 10014583_1453049268263200_416573012_n 10154964_1453049288263198_540222050_n 1965029_1453049308263196_1488717521_n 10154557_1453049321596528_458614695_n 983615_1453049351596525_1762391408_n 1148766_1453049364929857_443276463_n 10157213_1453049048263222_637910541_n 10154537_1453049061596554_337804052_n 1454863_1453049074929886_1702862436_n 10156076_1453049094929884_1014379701_n P1020843

〔facebookパーソナルページより転載〕

カテゴリー: 三宅麻美アート覚書き タグ: facebook
« 前へ 1 2 3 4 5 6
FacebookTwitterLine

SEARCH

CATEGORY

  • Information (62)
  • 演奏会 (148)
  • 過去の演奏会 (38)
  • Sound (24)
  • PTNAピアノ曲事典 (14)
  • Movie (14)
  • CD (4)
  • Critique (38)
  • メディア (8)
  • 講演・講座 (3)
  • コンクール審査 (7)
  • 三宅麻美アート覚書き (54)

TAGS

facebook (49) YouTube (26)


三宅麻美パーソナルページ

Copyright © 2025 Mami Miyake - Pianist.

Lifestyle WordPress Theme by themehit.com