アートな映画を2本鑑賞
Movie “Foujita”(2015),“Pirosmani”(1969)
藤田嗣治は今までにその生涯が映画化されなかったのが不思議なくらい。もともと日本より海外での評価が高いせいだろうか、日本国籍を捨てたから?あるいは再婚に再婚を重ねているせいだろうか(笑)映画では私の想像以上に、彼の生涯の中でもパリで成功した後の16年間の日本滞在に焦点を当てていた。パリの場面では妙に現代的な撮影が気になりつつも、シャヴァンヌのタペストリーをフジタが無言で眺めるシーンや、最後に遺言のように建てた礼拝堂を映すシーンは、それだけでこの映画の価値が感じられるものだった。ちょうど国立近代美術館で、フジタの収蔵作品を一斉展示していたので観に行ったが、初めて彼の戦争画を観て、その生々しさと労力に圧倒された。映画よりも間近で観る絵の方が、まさにそれに命を懸けていたということを伝えていた。
ピロスマニは、7、8年前にDVDを観てその素朴なほの暗さに即座に魅了されたのだけれど、それをデジタルリマスター版しかも原語のグルジア語で再公開するというので、もう一度これを大きなスクリーンで観たい!と前売り券を買ったのだがなかなか行けず、最終日の今日すべり込みセーフ^^;
まず、冒頭からこの画家の人生を物語るようなオルガンの暗い色調にやられてしまう。美しいグルジアの風景と、どっしりとした筆使いの暗くも温かみに満ちた絵。人が何をしようと、人に何と言われようと意のおもむくままに行きる。人に愛されながらも自ら孤独を選び、さすらいながら絵を描いてそして死んでゆく。彼の絵をナマで観たい!
〔facebookパーソナルページより転載〕