【SOUND】C. Ph. E. バッハ:ポロネーズ
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:ポロネーズ BWV Anh. 125
Carl Philipp Emanuel BACH: Polonaise, BWV Anh. 125
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:ポロネーズ BWV Anh. 125
Carl Philipp Emanuel BACH: Polonaise, BWV Anh. 125
フランソワ・クープラン:ガヴォット
François COUPERIN: Gavotte
ベラ・バルトーク:《子供のために》第1巻 第11番
Béla BARTÓK: For children Book-I No. 11
『音楽の友』2018年3月号153ページ「Concert Reviews」に「ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ全曲演奏会」最終回(2017年12月4日。ヤマハ銀座コンサートサロン)の批評が掲載されました。(筆者:音楽ジャーナリスト 上田弘子氏)
「弦作品も演ることで理解が深まる」と、三宅が2010年に開始した「ベートーヴェン/ソナタ全曲演奏会」(p、vn、vcソナタ、pトリオ)。弦の方は2013年に完奏し、このたびピアノ・ソナタの最終回(全9回)。毎回よくぞここまでと驚異の読譜と表現力で、〝楽聖〟最後の3つのソナタでも培ってきた事が示された。1ページ目から変化に富んだ「第30番」を、三宅は粛々と弾き進める。緩急も前後の脈絡が完全理解のため自然で、新たなソナタ形式を示した作曲家の代弁のよう。「第31番」は優しいピアノ・トリオのような第1楽章と決然とした第2楽章との差異が新鮮で、第3楽章への繋ぎがまた巧い。この第3楽章は当夜の白眉。静寂のアダージョは名歌手のように歌われ、底から静かに立ち上がってくるフーガの神々しさ。少しずつ重なり厚くなる主題は聴き手の五臓六腑にまで刺さる。それも感動の和声で。そして最後の「第32番」。冒頭の減七の跳躍を三宅は左手で取り、その良質の緊迫感で畳み込んで行く。確実に刻むリズムに独語の発音が在り、ゆえにすべての音符に説得力。終楽章の主題は、より厳格な拍感の方が以降の変奏が際立ったのではと、名手ゆえにこちらも欲が出る。いずれにしても祝・完奏。
(12月9日・ヤマハ銀座コンサートサロン)〈上田弘子〉
2月28日 光州でのアンサンブルベルリアーナ演奏会が26日付の光州新聞で紹介されました。
2月24日(土)韓国・水原 Ableart center
アンサンブル・ベルリアーナ 室内楽コンサート
Alexander Kniazev
J. S. Bach Complete Suites for Cello solo@Suntry Hall Blue Rose
渾身の演奏だった。
どれも確信に満ちた、落ち着きのあるテンポ感で始まり、ト長調のオープンな調性から苦悩のニ短調へ、そして幅広なハ長調へと調性感を巧みに弾き分ける。オルガニストとしても演奏活動するだけあって、重音の響きの安定感が際立っている。(特に第3番プレリュードのオルゲルプンクトの持続感が素晴らしかった!)
第3番まで弾いて休憩15分、そして第4番と第5番のあと再び休憩15分、18時に開始して終わったのはアンコール含めて22時近く。
かなり遅めのテンポ設定なのと、圧の強い弓使いのために、サラバンドなど遅い舞曲では引き延ばされる緊張感に聴いている方は正直疲れてしまう面もあるが、モノトーンな音色がピタリとはまった第5番のサラバンドなどは素晴らしかったし、ひとつの舞曲を取っても、出だしはさりげなくリズムやメロディーを扱い、繰り返しをしながら活気を増して最後に向けて高揚していくストーリー性のある構成は非常に説得力があり、振り返ってみると6曲全曲の流れの上でも、第5第6番に向けて焦点を定め、終盤のガヴォットからジーグにかけては曲集全体のクライマックスを見事に作り上げていた。こんなに集中してこの曲集を聴いたのは初めてかもしれない。
改修後のサントリーホールブルーローズは舞台をぐるっと囲むように座席が置かれていて、ちょうど弾く姿を真右から眺める場所だったので、弓さばきをいつも以上に興味深く観察しながら聴いた。弾いている時弓から、松ヤニの粉が音楽に合わせて空中にフワッと飛び散るのを初めて見た。
そして休憩2回とも男子トイレに長い列が出来ているのを見て、普段の演奏会との客層の違いをまざまざと感じるのだった…。
〔facebookパーソナルページより転載〕
年末からこじらせた風邪がようやく治ってきたので、楽しみにしていた公演へ思い切って出掛けた。
ブルガリアンヴォイス・アンジェリテ@武蔵野市民文化会館
Bulgarian Voices Angelite
20人のアカペラ女性合唱。ブルガリアの地方に伝承する民謡から、民謡を基にした現代風な合唱曲まで、地声に近い独特な発声とハーモニーで観客を魅了する。流れ星は良いことだけでなく不吉なことの前兆でもあると歌うものや、唐辛子の植え方、花の咲かせ方、実の付け方を教えてくれる歌もある。一人一人違うデザインの色鮮やかな民族衣装もまた手が込んでいて、非常に魅力的。もう少し狭いホールだったらさらに迫力も感じられただろうと思うが、20年振りの来日で3公演のみとのことなので仕方ない。曲によっては4人だけで歌うのだが、親子ほどの年齢が離れているように見受けられるメンバーが声色を揃えて歌い、こうやって次世代へ伝承されていくのだろうなと感じました。
〔facebookパーソナルページより転載〕
ショスタコーヴィチ 24の前奏曲 Op. 34 より5曲
演奏:三宅麻美(ピアノ)
2018年1月4日 辛島輝治先生傘寿記念演奏会