Concert at Ablecenter

 

 

 

 

 

 

 

2017年2月21日(火) 韓国・水原
Concert at Ablecenter
プロコフィエフ・ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 作品80
ラヴェル・マメールロワ 他
共演 柴田欽章、キム ドヨン、永易理恵

Ensemble Berliana

 

 

2017年2月19日(日) 韓国・光州 Kumho Art Hall

Ensemble Berliana
プロコフィエフ・ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 作品80
ラヴェル・マメールロワ 他
共演 柴田欽章、キム ドヨン、永易理恵

Dream Concert

 

 

2017年2月14日(火) 韓国・水原
Dream Concert
モーツァルト・ピアノとオーケストラのためのロンド ニ長調 K.382
協演 水原ユースオーケストラ

【コンサート覚書き】ロナルド・ブラウティガム フォルテピアノリサイタル

ロナルド・ブラウティガム フォルテピアノリサイタル@トッパンホール
Ronald Brautigam fortepiano recital

昨日出掛けた演奏会は、来日の少ないオランダの名手が弾くとあってチケットは完売。
使用楽器は1800年頃のAnton Walterをモデルに2002年にチェコで製作されたもの。

前半はモーツァルトのソナタ2曲とロンドイ短調。フォルテピアノは音の減衰が早く、減衰時にしなりがあり打鍵も柔らかいので、優美なディミヌエンドを伴って、フレーズの終わりが少しずつ幅広になる。逆にフレーズが向かっているときはひたすらに進んでいくので、そのコントラストが強く出た演奏で、音量が出ない分、打鍵時の音がかなり聴こえ、その残響効果も考慮して音楽運びをしているように聴こえた。
独特な音の伸びはアルペジオに効果を発揮し、連続する和音の伴奏形や同音連打がメロディと同じように大きく聴こえるのは決して邪魔にはならず、むしろ主導権を握っているようだった。

しかし、後半のベートーヴェンではやはり物足りなさを感じてしまう。作品31-3のソナタ冒頭で四六の和音が来る箇所はなんとも言えない柔らかさと温かな波紋が広がるようでピアノを弾くのとは違った表現があり、悲愴ソナタやテンペストの第三楽章など疾走する曲調には合っていると感じたけれど、他はあまり集中して聴くことは出来ず、それよりもベートーヴェンの、未来を見据えた曲作りに驚嘆し、現代のピアノで彼の作品を弾けることに心底喜びを感じるばかりだったが、なかなか聴く機会の少ない音は新鮮で、興味深いものだった。


〔facebookパーソナルページより転載〕

【アート覚書き】映画 エゴン・シーレ&バンジャマン・ミルピエ

アートな映画二本立て🎦
エゴン・シーレ&バンジャマン・ミルピエ
2 movies in a day at Bunkamura Shibuya

補講や試験審査やその伴奏などで毎日稼働の週を終え、息抜きに渋谷・東急文化村へ向かう。
見たかったミルピエの開始時間までかなりあったので、まずエゴン・シーレを観た。

28歳という若さで亡くなったオーストリアの画家が、駆け出しの頃から亡くなるまでの奔放な生き方を描いたもの。崇高な芸術のためには他人の人生まで犠牲にしゆく、その確信に満ちたエゴイズムに疑問を抱く…

1時間強の待ち時間に地下のミュージアムで開催されていたマリメッコ展を覗く。
鮮やかな色彩と配色に目を奪われ、自然や生活の中からデザインされた楽しいモチーフの数々に気持ちが上がる。

そして史上最年少で監督になり、パリオペラ座に挑んだ天才振付師 バンジャマン・ミルピエのドキュメンタリー。モダンバレエの創作から稽古、衣装や照明、技術などの舞台裏、ミルピエの秘書とのやりとりなど彼の日常やアイデア、思考そのものを写していて、非常に興味深い。何とかして伝統に縛られたバレエの世界を変革しようと、ダンサーの身になっての指導やトップとの交渉など、果敢に挑む姿は本当に頼もしい。それなのにこの公演の4ヶ月後に辞任してしまったという。やはり彼一人では変えられなかったのかと思うと残念だけれど、何かが残ったことには違いない。
最終日に間に合って良かったのだが、もっと延長で上映して良い作品だと思う。

そんなわけでとても濃い1日になりました…

『音楽の友』2017年2月号《ハンマークラヴィーア》

『音楽の友』2017年2月号 167ページ「Concert Reviews」に、2016年12月3日の《ハンマークラヴィーア》について「…今年国内で演奏された同曲のトップのレヴェル」との批評が掲載されました。(筆者:音楽ジャーナリスト 上田弘子氏)

 

 束京藝大、ベルリン芸大、イモラ国際ピアノアカデミー等で研鑽を積んだ三宅が2010年から開始した「ベートーヴェンピアノソナタ全曲演奏会」の第8回。三宅の、いつ何を聴いても感心するのが読譜の深さ。徹底解析からの音価と打鍵は正確無比で、そこには作曲家への深い尊敬があるため、音楽の方から正解を指し示してくれているよう。その正解を三宅は敬愛の技術でキャッチし、最初の《3つの選帝侯ソナタ第3番》から高い精神性と成熟のウィットで奏す。べートーヴェン幼少期の作品だが随所に先見の明のある楽想を、三宅はセンスの良い緩急で創る(特にⅡ)。「ソナタ第27番」ではロマン派初期の趣が心地良い。奏法、ペダリングも熟考で、当時の楽器をも想起させる巧さ。そして《ハンマークラヴィーア》の「ソナタ第29番」。よくぞここまで! というほど楽譜は読み込まれ、そして咀嚼されているから恐れ入る。良く整理された和声と進行(Ⅰ)、知的なリズム感で聴き手を愉しませ(Ⅱ)、往年のリート歌手の如きドイツ語の音列(Ⅲ)、複雑な構成も死力で対峙(Ⅳ)。好きすぎて演りすぎの感も所々。しかし今年国内で演奏された同曲のトップのレヴェル。
(12月3日・ヤマハ銀座コンサートサロン)〈上田弘子〉